マンガサミット•チャリティに協力 ー 私たちの、小さな、小さな一歩

 「第四小学校に初めてロックが鳴り響いた。でも、何も変わらなかった」20世紀少年(浦沢直樹作)の中で学校に嫌気がさした主人公が放送委員を拘束してロックを流した後学校の屋上で抱いた感想だ。しかし実際には主人公の知らない所で大きな変化に加担していた。
 世の中は複雑である。様々な因子が絡み合って次の事象が起こる。「ああすれば、こうなる」が通用するのは人間が作った世界だけだ(養老孟司「いちばん大事なこと」)。
 2011年4月28日〜5月1日の4日間、六本木ヒルズイベントスペースumuにて「マンガサミット」が開催された。泉谷しげるの呼びかけにより浦沢直樹(20世紀少年ほか)、福本伸行(賭博黙示録カイジほか)、星野泰視(哲也―雀聖と呼ばれた男―ほか)などが集い東日本で起きた大規模地震の大きな被害者である東北へエールを送った。私達「くりくら。」のメンバーは会場のエールが被災地へ届くようスタッフとして参加し、会場の参加者のメッセージを集めた。
 泉谷達は原発の危険を訴えた「サマータイムブルース」(RCサクセション)、反戦歌として自衛隊を皮肉った「自衛隊に入ろう」(高田渡)などの強烈なプロテストソングを始め、滅亡に瀕している人類の心の支えとなった「ボブ・レノン」(20世紀少年)などで参加者に訴えかけた、「俺達が頑張ろう!」「立ち上がろう!」と。会場は盛り上がり、多くのメッセージが集められ、募金箱もいっぱいになった。そしてイベントが終わると皆元の生活に帰って行った。
 この日のイベントは一見何も変えていない様に見える。一過性のものに。マンガサミットが終わっても「何も変わらなかった」しかし会場に居た人の心のどこかに何か少しでも残っていれば、ずっと先には大きな変化に続いているかも知れない。(敬称略)

■記事■
 東京大学/小谷