非日常で浮き彫りになる、本当の自分。 — 本間勇輝さん

「本当に好きな事を探し続けなければならない」スティーブ・ジョブスの感動スピーチに心を打たれた人も少なくないだろう。でもちょっと待ってほしい。本当に好きな事?一生を賭けるほど好きな事って?どれだけの人が「それ」を見つけているのだろうか?

 

かく言う自分もその1人だった。大学卒業後に大企業に就職、なんか違うと飛び出しベン

チャーを立ち上げ4年。順調に成長した会社と刺激的な毎日に満足はしていたが、胸を張って言える「それ」は、見つからないままだった。そんなモヤモヤを振り払うために僕は、会社を捨て、家を捨て、1000件の携帯メモリを捨て、旅に出た。なにいい歳こいて自分探しの旅ですか?笑われてしまいそうだが、事実だからしょうがない。でも一つだけ言わせて欲しい。2年後、地球をひと回りとちょっとして帰国した僕は「それ」を胸に抱えていたと。だから声を大にして言いたい。”(笑)”、上等。いいから旅に出てみない?

「それ」を見つけるまでの自分を振り返ると、明確に2つの段階に分けられる。まずは「自身の常識をぶち壊す」をテーマに旅先にダイブした最初の半年。リアル「スラム・ドッグ・ミリオネア」な危険なスラムも、死体が燃やされボンボン河に投げ入れられる風景も、フルチンで歩く修行僧も、全てを評価せずにただただ受け入れようと心がけた。圧倒的な「異」に身をゆだねていたら、色々な事がどーでも良くなっていった、旅の初期。

 

そしてそれ以降が、行動の時。W杯会場で手作りカツサンド売って警察につまみ出されたり、惚れこんだ店の商品をブログで売ってみたり、世界規模の音楽フェスに無理やり出店してみたり、、、。涙と鼻水だらだら垂らしながら、日本では絶対やらなかったような事を色々やってみた。最高にキモチよくて、興奮の連続だった。

そして気づいたら、自分が好きなもの、やりたい事は目の前にあった。それしかなかった、と言った方が良いかも知れない。旅の日々を一言で表すと、そぎ落とす作業だったのだと思う。つまり「それ」は、外部から与え続けられた数え切れない価値観の中に埋もれていただけだったのだ。

 

このそぎ落とし作業、実は何処にいても何か行動をすればできるはずだけど、「それ」が見つかるほどの気合いの入った行動は簡単にはできない。だから、僕は旅を勧める。日常と離れた異空間は、行動を容易にしてくれるから。大丈夫、安心して。かのジョブスも若い頃にインドで自分探しの旅をしたんだから。

■プロフィール

本間勇輝32歳。大手IT企業を経てモバイルベンチャー経営の後、妻と2年の世界旅行へ。旅先での社会貢献活動が話題となり雑誌ソトコトにて連載(継続中)、2012年3月に書籍出版予定。

旅ブログ「ひげとボイン」:http://h-b.asia メール:higeboin@gmail.com