グローバル化で重要なのは思いやり

株式会社ブリヂストン

ブランド推進部 宣伝課 楊 佳 様

グローバル化というと、単に海外で日本のモノを売ることであったり、コスト削減のために生産拠点を海外に作ったり、M&Aを繰り返して企業が大きくなったりなどのイメージが強くあったが、ブリヂストンでの取材を通して、そのイメージは大きく変わった。

ブリヂストンの宣伝課で働く楊さんの考えるグローバル化は、少し違う。楊さんの仕事は、グローバルメッセージをローカルに咀嚼し、その地域に、いかに浸透させていくかを考えコントロールすること。そのために、楊さんは世界各地を飛び回っている。そして、その先々で、各地域にあった広告施策を、現地で、現地の人と話し合う。一番よく知っている現地の人を巻き込むことで、その地域でどのように根付かせるか、広めるかを真摯にさぐっているのだ。

ものづくりの原点を日本に置き、そこで培われた思いを、日本から、海外へ伝えていく。それは決して簡単なことではなく、「現場では計画通りにいかないことばかり。むしろ最初からうまくいくことは稀。」と語る楊さん。そんな楊さんが常に心がけていることは、Win-Winの関係だ。こちらの意見を主張するだけではなく、ブリヂストンと関わることで、どんなメリットがあるか、どのように相手のモチベーションを上げるか、といった視点で、取引先と接している。そこには、お互いの関係を思いやる気持ちが常に求められるという。思いやりがなければ信頼関係は築けない。それは人間関係と一緒だ。

「グローバル化」と「思いやり」。グローバル競争では、一見相反すると思っていたこの二つの言葉が、思いがけず繋がった。ブリジストンのタグラインである「あなたと次の景色へ(Your Journey , Our Passion)」。これは、タイヤを買うお客さんだけに言っているのではなく、ステークホルダーすべてに言っている言葉だというのも、取材を終えた今、素直に頷ける。思いやりこそが重要、グローバル化が少し見えた取材であった。

慶應義塾大学/島